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東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)
遥 洋子
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)
定価: ¥ 651
販売価格: ¥ 651
人気ランキング: 24039位
おすすめ度:
発売日: 2004-11-11
発売元: 筑摩書房
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

東大上野フェミニズム
東大大学院上野ゼミで学問した著者のエッセイ。

東大大学院で学べるとは、なんと著者は幸運なのだろう。
内容は、前半と後半でちょっとトーンが異なります。
前半は東京大学という特殊な場所での戸惑いの中から、著者が成長していく姿を描いており、
後半は膨大な文献講読やゼミで得た社会学の知識や方法論を駆使して、著者なりに『常識』を疑っています。

単純に読んでいて社会学とは何か学べる本なので、現役の大学生、特に大学新入生におすすめします。

まあ、ただ、後半部にあった議論に勝つための十か条なるものは生産的ではないので、議論するときにはおすすめできませんが。

そんなにいいか?
読んでいて痛快であるところと、不快であるところがあった。まぁ大抵後者なのだが。
この本、見るところもあり読む価値もあると断言した上で書くが、はっきりいって「上野千鶴子ヨイショ本」である。講演会であったときからの、最後授業するところまで筆者の
上野信望ぶりはノンストップ。それは嫉妬や憧れも入り混じって、ある意味、恋の域に達している。しかし、社会学は自明なことを疑ってみることだと学んだと、数々の文献を引用して喧伝しているが、そのことを教えてくれた上野千鶴子の言説をそこまで自明視し、「神様」にまで祭り上げるのはいかがなものか。
また東大という権威の前に挫折しかけた筆者に向かって上野が叱咤激励する場面は、「いかにも」という美談。上野は筆者の東大生コンプレックスなど所詮は知識の量の差だけで彼らはあなたと何も変わらないと諭す。しかし、やはり先天的な才能の有無はあるし、出自による教育の環境の有無も当然あるだろう。みんな持つものは一緒という思想は「両親に愛された」と平気で言ってのける上野だから言えるのではないだろうか。
もっとも読んでいて不快だったのは、「ケンカの仕方十箇条」という章。この十箇条とはずばりケンカに勝つ十箇条だ。しかし、男と女の痴話喧嘩ならいざ知らず、論争の舞台で勝つ論争をすることにどんな生産的な意味があるだろうか。筆者は本文中で当時の東大総長、蓮見重彦の「知性とは、何よりもまず、知性そのものの限界をみきわめる力にほかなりません。」という言葉を引用している。そのとおりだと私も思うが、だとすればただ勝ち続けることは知性的といえるだろうか。負けて限界を知る経験を失った人間は知性的といえるだろうか。
上野は勝者の論理を生きている。生き方としてあこがれるが、それを万人に適用してはいけない。


7年ぶりに再読して
ああ、そうだったのか、という感想がいくつか。
たとえば、上野千鶴子フェミニズムの源流のひとつに学生運動があるということ。
あの過激さもさもありなんと納得。
ああ、でもつくづくこういう人(上野さんのことです)とは付き合いたくないなあ、と思った。
それに比べて著者の遥さんは(いい悪いではなく)社会人としての常識がある大人の女性だなあ、付き合うならこっちのほうがいいなあ、と正直思いました。
他意はありません。
単なる個人的な感想です。



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